NPO テクノシップ会報 No.2

Technoship   キッド

2002.12 発行  WEB 版



花開く個性

理事長 冨岡 逹夫

 本会がみなとコミュニティハウスに移転してから、まもなく2年がたとうとしています。この2年間多くの方々や機関のお世話になりました。厚く御礼申し上げます。
 本会は、生涯学習支援機関として「一人ひとりの個性の輝き」を目指して活動を展開してきました。 いろいろの出来事がありました。しかしその一つ一つが本会の発展に確実に繋がっていることを実感する昨今であります。
 さて、今年の支援活動のなかで私が強く印象付けられたのは次の2点でした。
 1つは本会で4月以降職業教育を受けていた政彦君が9月に就職したことです。港区内のソフト開発の企業でした。彼は就職するにはまだ一寸早い状態でしたが、「後は私がやりましょう」という社長さんの一言には参りました。私は常日頃、この子等を育てられる力を持っている企業にこそ現代文明の社会が必要とする企業である、という考えでしたので、今年始めたばかりの就労支援の第一号が政彦君であったことは私にとっても嬉しいことでした。
 2つ目はダウン症の鶴 美沙さんの詩画集が出来たことです。これは美沙さんの少女時代の作品を大切に保管されていたお母様の仕事でした。ドイツ語に翻訳した詩も載せましたので、ドイツの関係機関にも贈呈しましたところ、幾つかのお礼状の中で「波紋を投げかけた」ことを感じとりました。それが、どう拡がっていくのか楽しみにしています。(次頁に礼状掲載)
 この子等の「個性」や「才能」を開かせる(輝かせる)ことは、そしてそのことに喜びを感じとることは、私共に「天」が与えてくれたご褒美ですね。 そしてこれはまた、私共がこの時代を駆け抜けるエネルギーでもあると思います。
   来年度はどんな展開になるか、とにかく一日一日を大切に頑張ってゆきましょう。諸機関や地域の方々のご支援とご指導を引き続きよろしくお願い申し上げます。

鶴 美沙さんの本、『美沙のポエム』が きれいなカバーをつけて、書店で発売されます。
  発売日  2003/1 下旬
  定価 1,300-(税別)
  日本知的障害者福祉連盟選書として、全国書店文芸コーナーにならびます。





 就労支援第1号の政彦君が、職場での様子を寄せてくれました。彼が頑張っている様子がよくわかります。この作文はパソコンで書いてくれたものです。

就 職 の 感 想

新しい窓で開きます




美沙ちゃんのポエムに寄せて

拝啓
 この度は、「美沙のポエム」を1部、弊センター図書・資料室にご寄贈頂きまして誠に有難 く篤く御礼申し上げます。ドイツ語で書かれたお手紙、そして美沙さんのお心のこもった折り 鶴もどうも有難うございました。
 弊センター図書・資料室では学生、研究者を対象とした日本関係の文献資料を中心に収集し ておりますが、その一方、日本文化を一般のドイツ市民の方々にも紹介する為に、日独対訳の 俳句集等を通して日本文化に接することが出来ますように努めております。同詩集そのための 貴重な蔵書として大切に活用させて頂きます。
 書架に配架致します前に拝読させていただきましたが、美沙さんのやさしいお気持ち、そし てお母さまの美沙さんを暖かく包むお心が伝わって参りまして、慌ただしい事務所の中が和む 気が致しました。
 お手紙に亡くなられましたお父上様とハイデルベルグにご滞在になられた時の思い出を綴 っておいでですが、私も1980年から同大学で博士論文を書き、86年まで美術史研究室で助手 として勤務致しましたので、ハイデルベルグには色々な思い出がございましてお懐かしく拝読 いたしました。
 これからも美沙さんの詩と絵が多くの人に喜びをもたらせて下さいます様に、美沙さんそし てお母様のご健康とお幸せを心からお祈り申し上げます。
 先ずは、御礼まで申し上げます。
               

敬具
 平成14年11月19日
 
桑原節子(ベルリン日独協会図書館)





"NPO" テクノシップ への 熱い思い

 わたしたち、テクノシップは本年1月にNPO法人になり、過去 8 年間の互助的ボランテ ィア団体から、社会的ボランティア団体に質的転換し、先ず、実行・実践して結果を残す ことを胸に秘めて活動しています。法人格は、社会との係わりにおいて、一人一人の社会 的責任、責務の意識付けができ、ボランティア精神で永続的に、社会への貢献をしなけれ ばならないと思っています。
 さて、テクノシップもこの精神が徐々に浸透し、このところ、会員みなさんの意識が少 しずつ変わってきていることが、外部からの問合せ、見学、新規入会など形となって現れ てきています。
 本会のように、特別教育支援を専門とするNPOは、専門家を確保することと、若い専門 家の育成、永続的な事業運営の設備と場所で、安定した財源の確保が課題です。
 地域社会、行政が、要望される広く門戸を開放した特別教育支援事業を行うためには、 廉価な授業料の設定が不可欠です。それには、地域と行政の協働なくしては成し得ません。
 そして、テクノシップも地域と行政に高信頼で受け入れられるよう、日夜研鑽しなけれ ばならないと思っています。
 現在、主な事業として知的障害者の就労支援、社会への自立のため、"さをり織り"を採り 入れています。就労シミュレーション、高齢者などの生涯学習としてパソコンを鉛筆、消 しゴム同様、身近に扱う道具として使いこなせるよう指導しています。
 人間、一人一人が持つ輝く個性を引き出し、磨き上げ、世界一の"ぎょく玉"にすることを夢に 描き頑張りましょう。

事務局長 安中 健一





各教室の活動状況

青山教室

〈街へ出る〉
 週に一度、昼食のお弁当を買いに外出します。
 青山教室は、建物の地下一階のスペースで活動していますので、その日の天候もよくわか らないほど。それだけに「買い物の時間」はその目的に加えて、有意義な時間となってい るようです。例えば、春には花の香が風に乗ってきたり、暑い最中は、木陰を縫って休み 休み歩いたり、外苑の鮮やかなイチョウの秋を楽しんだり… 隣り駅のスーパーまでの買 い出しはちょっとした運動にもなります。
 このように、青山地域の環境は変化があり、魅力的…。加えて私が記したいのは、青山の 人々の魅力です。買い出しはハプニングにまごつき、自分の好みを上手く伝えられないこ ともしばしば… そんな時、皆さんは(混雑する時間帯を避けているとはいえ)、いつも寛 容に親切に応じてくださいます。久し振りにお会いした時に声を掛けられたりすると、都 心の青山にはのんびりした空気があるのだなと感心させられるほどです。
 また、彼ら自身はいろいろな売場の人たちと接することで、好みの伝え方、言いまわしな ど場を踏むごとに身につけて入る様子。喜んでの買い物と午前中のよい運動は、いつもよ り少しお腹をすかせての昼食となるのでしょう。

青山教室 指導員 中村 京子



芝教室

 私は工房アミに毎日通所をしています。パソコン教室には7月から毎週月曜日にやっています。パソコンでは私が始めての時は北斗の拳のゲームをやったりだんだん慣れてきて文章の打ち込みの練習をしたりしました。あとはイラストの取り込みをして、紅葉狩りのご招待というチラシ作りをしたりしました。あとは暑中お見舞いを作ったりクリスマスカードや年賀状作りをして楽しく練習をしています。

 加奈子  


 今日はシールはりをしました。箱根に行って水族館と遊覧船に乗りました。かまぼこ博物館に行きました。11月28日から29日まで行きました。麻布十番商店街で買い物をしました。僕は汽車が大好きで、パソコンで楽しんでいます。
 真也 T.  



所沢教室

〈フラワーアレンジメント〉
 今年の6月の土曜日に、所沢教室でフラワーアレンジメントの講習会がありました。私も お母さんといっしょに参加しました。全部で15人集まりました。講師は斎藤さんのおば さんのお友達で北脇三枝子さんという人でした。
 牛乳のパックを8センチ位の高さに切ってその中に水をたっぷり含んだスポンジを入 れました。そのスポンジにいろいろな花をさしました。まわりにリボンをつけて出来上が りです。
 私は花を切るのがとてもむずかしいかったなぁと思いました。北脇先生は「みんな個性が でていて面白い」といってくれて、一人一人の作品の写真をとってくれました。とても楽 しかったです。私は家へ持って帰りました。

久乃 





                

宏の初めてのバイト

 今年成人式を迎えた宏は、この夏バイトをすることになり、何をするか色々考えていた。 親とすれば、何でもいいからやってみろと思うのだが、自分には何が向いているのかと一 向に動かない。それでもやっと決めたのは、登録制で、日銭の稼げる"運び屋"である。
 最初の日は事務所の引越しということで、新人数名、ベテラン2名で、トラックで移動 した。二回目は一対一であったので「エー〜〜初めてなの?!」とちょっとイヤナ顔をされ たらしい。3日間仕事をして、給料は2万円位だったろうか。
 一日目のバイトは新人が多かったので楽しかったようだ。「お前は体だけは丈夫だからそ のバイトがいい」と私。「ひどいナーでも本当だけど」と本人。気を良くして又仕事をした ところ帰宅した時に腰が痛いという。二人で香水の沢山入っている箱を何度か運んだ時に 腰をいためたらしい。すぐに近所の整体に行かせたら、よけいに悪くなり腰が曲がらない。
 新学期になり寮に戻り、寮母さんに聞いて、流山総合病院に行ったところ、「そういう時 は腰をもんではいけない」と言われたとの事。湿布薬をもらってきた。レントゲンに異常 はなしということで、安心。親があせっていろんな事をしてしまったが、結局、安静にし て、湿布をしておけば良かったということでした。今回のバイト代7千円。医者代、その 倍額。そして最後は、「もうそのバイトは辞めなさい。」…
宏の初めてのバイトの運搬業はこれで、幕を閉じたのでした。
   

宏 母  





厚生部だより

バザー

   この秋は高輪にある高野山別院の萬灯会のバザーと港区の障害保健福祉センター(ヒュ ーマンぷらざ)のヒューマンぷらざまつりのバザーに張り切って参加しました。萬灯会は、 児嶋さんの同級生の方のご紹介があり、ヒューマンぷらざは芝教室の拠点でもありNPO テクノシップを知ってもらうためにもよいのではという主旨の参加でした。
 まず、何か手作り品をという事で…ビーズはどうかな?袋物は?など‥いろんな意見の なかから、やはり児嶋さんの同級生パワーで作り方も教えてくださる方がおられるので粘 土で作る可愛い楊枝立てに決定しました。さて、粘土教室の始まりです。手先の器用さが 必要な作業のこと…それぞれ得意なパーツがあって、のばす作業が得意な人・お花作りに 才能が花開く人・手よりお口が動く人・やっぱり全部上手に出来ちゃう人…いろいろな才 能のお陰で鈴木さんと玉井さんを中心に数回の手作りの会で50個ほどのかわいい楊枝立 てができました。半代さんや児嶋さんの同級生の手作りビーズも加わって、希望を込めた 値段付けも終わりバザーを迎えました。荷物運搬をこころよく引き受けてくださった加藤 さんの協力もあり準備万端でしたが、萬灯会当日はあいにくの雨…それでも玉井さん手作 りの水色に白地のテクノシップの旗もかかげて、たくさんの会員のお手伝いもあり、お店 番を交代しながら萬灯会の珍しい行事も拝見したりして初めての体験をしました。
 ぷらざ祭りはうってかわってよいお天気?皆さんのお手伝いがあり大きな掛け声も出し て販売に精を出しました。たくさんの方の暖かいお気持ちのおかげで、かなりの売上をあ げることができました。
 今回も販売しましたが子供たちが作った『テクノ製のさをり織り』など、付加価値のあ る製品を販売していけたらいいなと…次回に課題も感じながら…協力してくださった皆さ んに感謝いたします。ありがとうございました。





クリスマス会

 12 月 8 日、ボウリング大会に先立ち恒例のクリスマス会が開かれました。3つの中国料理の大きな円卓を囲み、集まったメンバーそれぞれの自慢の歌を楽しむ和やかな会で、手作りケーキやくじ引きも楽しめました。
 感心したのは、食事前の挨拶や周囲の人達と楽しもうとする姿勢です。少年、少女達には折に触れお会いするのですが、会うたびに大人へと成長しています。「うちの毋は急病であいにく欠席です。ご了承ください。」「周りの人を見て順序よく食べようね。」「このケーキは手作りですか?おいしいですね。」など。テーブルのあちこちから聞こえてきた言葉です。各々の個性は出るものの、食事のマナーをたしなめられた時など、彼らはまず落ち着いて考え、自分のものにしてから「次はできるようにしよう。」としている様子でした。
 きちんと食事ができる・楽しく食事ができるという事は、その人の世界を広げていく事を助けるのだなぁと改めて感じた会でした。

青山教室 指導員 中村 京子



クリスマス会の感想

 日曜日に僕は、クリスマス会に参加しました。カラオケは中島美嘉の「 will 」を歌いました。福引きでは、カップラーメンが当たりました。その後は、ボウリングをし、1 回目は、112 点、2 回目は 72 点で、合計 184 点の 6 位の成績でした。
 努力賞の商品、キーホルダーとパンツとハンカチを貰いました。いろいろな事が、楽しめたので良かったです。

真也 N. 





事務局だより(7月以降)

●次の方々から励ましとご寄付を戴きました。  本当にありがとうございました。(敬称省略、順不同)
 鶴 正代、児嶋 みち子、冨岡 達夫、玉井 和子、井上 強志、中西 敏子
●新規に会員又は、入会された方々のご紹介。(敬称省略、順不同)
 青山教室 吉田 洋平、野本 淳史、小林 まどか
 所沢教室 松井 満央奈





編集後記

  パソコンで体験した話をひとつ。今年の2月ネット上で初めて買い物をした。といって も、ウイルスソフト更新の手続きをする為の「キー番号」を手に入れただけなのだが…。
 ソフト会社のホームページ画面の指示に従い、息子が次々と個人情報を書き込む。私は 側でその情報を伝える。支払いは選択の余地無くカードのみ。手続きはあっけなく終了。 すぐに確認のメールが届き、手に入れたキー番号でウイルスソフトも無事に更新できた。 その間要した時間は10数分間。それも夜の10時過ぎに…。なんだか狐に鼻をつままれた ような感じだった。
 家にいながら24時間いつでもリアルタイムで用事が済んでしまうインターネット。その 凄さをまざまざと実感したできごとだった。
皆さん良いお年を!




内閣府認証 特定非営利活動法人 テクノシップ

本部 青山教室 〒107-0061 東京都港区北青山1-6-3 B1 みなとコミニティハウス内 TEL/FAX 03-3796-3309
支部 所沢教室 〒359-0035 埼玉県所沢市西新井町2-5              TEL/FAX 0429-94-1544
芝教室 〒105-0014 東京都港区芝1-8-23     港区立障害保健福祉センター(ヒューマンぷらざ)内
                                       TEL/FAX 03-3478-8565

東京都港区教育委員会社会教育関係団体登録
東京都港区社会福祉協議会ボランティアセンター団体登録
埼玉県所沢市社会福祉協議会登録団体


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