会報 キッド Hello!


















躍動の年へ

テクノシップ理事長  児嶋 みち子

 春先の冷え込みから遅れた今年の桜は、色も濃くみごとでした。まさに、遅れても秘められた才能をりっぱに開花させたかのようで、新年度の始まりにふさわしく感じました。

 昨年度は、たくさんの大きな事業を会員の皆様のご協力のお陰でやり遂げる事ができました。こういう時のテクノのお母さん方の結集力には大きな力を感じています。

 まず、港区NPO活動助成事業の「港区における特別支援教育推進のために」。テクノシップとエッジ、港区を本拠にする専門性の異なるふたつのNPOが協力して区に働きかけ、港区及び区教育委員会と協働できた事は画期的でした。2年間に亘ったボランティア養成講座は、修了生達が区内各小学校の要請に応えて発達障害児の介助に活躍しており、成果が認められています。また、協働して開いた、明治学院大学緒方教授も交えた7回にわたる特別支援教育推進検討委員会のまとめの発表会を3月9日麻布区民ホールに於いて共催。各方面に大きな反響をもたらすことができました。秋には、区立支援センターの開設が決まり、引き続き協働していきます。

 12月18日には、尾高ファミリーによる2回目のテクノシップ支援のためのチャリティコンサートが赤坂区民ホールで盛大に開催され、出演者の皆様の素晴しい演奏と温かい人柄がにじみでたコンサートに、また一層ファンが増えました。それを受けて今年は、尾高忠明・惇忠様ご夫妻が揃った形での 尾高ファミリーTalk & Musicコンサートが11月12日に実現する運びとなりました。音響を重視して区民センターをとびだして、渋谷の白寿ホールというすばらしい音楽ホールでの開催といたします。

 さて、平成17年度はテクノシップにとって大きな変革・発展の年になります。副理事長の中井さんのお嬢さんの為の喫茶店開業に伴い、その2階部分をテクノシップに貸していただけるとの願ってもないありがたいお申し出をうけ、建物完成後の9月ごろには、白金台駅そばに青山教室の主な部分を移転いたします。ようやく、独自施設を持て、気兼ねなく活動を展開する事ができます。また、みなとコミュニティハウスは今年度も利用団体として認められましたので、パソコン部門はこちらに残すと共に、広い集会室を利用してミニコンサートやフラメンコ体験、成年後見人制度の勉強会など地域住民に提供できる企画も進めていきます。同時に、財政基盤の安定化を見据えた事業展開を図っていくことも考えております。今後ともよろしくお願いします。


素晴らしかったコンサート

12月18日土曜夜、赤坂区民ホールを埋めたお客さんたちは一様に、尾高ファミリーの皆さんの心の温かさに触れ、そのアットホームで気の張らない楽しいトークと卓越したすばらしい演奏に感激して、「すっかりファンになりました」、「また来年も是非来ます」との声を沢山いただきました。
どのプログラムも良かったですが、圧巻はピアノ連弾によるサンサーンス作曲「動物の謝肉祭」。ナレーション付きで情景がわかりやすく、惇忠さんと遵子さんのおふたりの呼吸、掛け合いともに実に楽しく、熱演がびんびんと伝わってきました。

第3回尾高ファミリーTalk & Music コンサート 予告

3度目の正直というか、念願だった尾高忠明さんご夫妻と惇忠さんご夫妻のご兄弟そろい踏みでのチャリティコンサートが今秋、実現します。
日時場所がほぼ決まりましたので、速報でご連絡します。

  日時:11月12日(土)
  場所:白寿ホール (渋谷区富ヶ谷)

300名のこじんまりしたホールですが、音響の素晴しいおしゃれなホールです。
今までに増して、素敵なコンサートになると思います。
また、みなさま、よろしくお願いします。


発達障害児・者支援のためのボランティア養成講座
「生涯にわたる支援とは」

7月のプレ講座のディキャンプにはじまり、9月、10月、11月、1月と4回にわたり、開催いたしました。約60名の参加申し込みがあり、全講座出席の方、24名に認定証をお渡しいたしました。生涯にわたる支援について幼児期から青年期以降まで、各年代毎に講師の皆様より熱意あふれる講義をしていただきました。
 現在、港区において
7名の方が介助員として活躍されています。
最後に3月9日に麻布区民センターにおいて、
NPO法人エッジと港区における特別支援教育の仕組みづくり検討委員会での発表を行いました。約120名の参加者があり、関心がうかがえました。





青山教室の一年を振り返って

青山教室指導員
石井喜代子

 青山教室では2004年度は20才前後の人たちが多数を占めました。それで就労支援を中心にすえましたが、色々なことを体験してもらおうと、日常的には基礎学習・さをり織り・運動・調理・買い物・パソコン・音楽等のプログラムを組みました。時には老人施設の洗濯物を畳むボランティア、オカリナ教室、ティールペンティング等もやってみました。行事的なことでは遠足、キャンプ、バザー、フリーマーケット、チャリティコンサートのお手伝い・福祉会館まつりのお手伝い、作業所の見学と、多種多様になってきました。なかでもキャンプやフリーマーケット等は準備の段階から、教室生が中心になって動くようになりました。

 キャンプでは大まかな地域をこちらで設定し、見学先は教室生が話し合って決め、しおりもパソコンの得意な教室生がインターネットから検索して作ってくれました。キャンプ当日は渡瀬鉄道のトロッコに乗ってみんな感激していましたが、私が心に残っているのはキャンプ場の一夜です。日もたっぷり暮れた屋外でバーベキューをしました。調理で慣らした腕で野菜を切ったり、肉を並べたり、ひっくり返したり、ビールもはいってみんないい気分。食べるのも元気がよかったけど、片付けもみんなで力を合せて、気持よくやりました。夜半は突然の大雨、激しくなる雨にみんなが明日は大丈夫だろうかと外を眺め、雨音が静かになってきて、やっと眠りにつきました。

 今、思い返しても、みんなで力を合わせて何かやることが楽しいし、人間関係も深まっていくのだと思う。

 同じ建物にいる団体エブリィさんとのフリーマーケットも回を重ねる中で、チラシも自分達で作り、その日にむけてさをり織りの仕上げも急ぐようになりました。寄付の品物とさをり織りの作品の販売だけでなく、売れそうなものを考えて、マドレーヌ作りにも挑戦しました。教室生の中からもっとお客を呼ぶために大きな看板を作って、人通りのあるところに立てようと提案があり、早速実行に移しました。お店を開いてもお客に顔を合わせられず、横を向いて抵抗していた人が、次第にお客の方をむき「いらっしゃいませ。」の声が掛けられるようになっていく様子をみると、日常の積みかさねの他に、行事の必要性を感じました。

 一人で出来る仕事や学習だけを重ねていくのではなく、せっかく仲間がいるんだから、やっぱり力を合わせて、何かを成し遂げる機会を作っていきたいと思う。何人いても「私だけを見てよ!」の傾向が強く、人間関係が結べないでいる面々を見ると、協力し合うとか助け合いとか励まし合うとか、譲り合うとか、みんなで「ヤッタネ!」という気持ちよさ、喜びを感じさせたいと思います。


教室便り

●青山教室●

テクノシップに通い始めて・・・。

 こんにちは!木部亘(もとむ)です!

僕は、小学5年生から学校に行かなくなり、フリースクールに2年通いつつも、ほとんど家でテレビゲームばかりをやっていて過ごしていました。そんな中、17歳の時にテクノシップという場所を見つけて、5月から通い始めています。

 テクノシップに通い始めて変化した事は、前の『フリースクール』などでは2ヶ月に1回でしたが、ここに通い始めて、今は何とか1週間に2回のペースで通えていますが、僕は朝早く起きるのが苦手で、やはり今でも遅刻ばかりしています。

 テクノシップの中では、毎日午後なので『機織』しかしていませんが、毎日続けていたおかげでずいぶん上達したと自分でも自負しています。

 それでもやはり、先生方に自分の心の状態をなかなか理解してもらえず、困ってしまい、どう話せば良いだろうか?と考えてしまう事もしばしばですし、メンバーの人数もなかなか増えませんので少し寂しい気がします。

 僕の希望では、あと2人位は男性が欲しい気もしますし、もう少しうまく先生方との『コミュニケーション』をとれれば良いか?と感じます。

 目標としては、自分の声の大きさや言葉の出しすぎの注意、朝早く起きて時間通りに到着出来るようにする、基礎学力を付けるなどをここテクノシップで出来るようになったら良いか?とも思いますし、ここに毎日通える様にも出来るようになりたいとも思っています。

 

さをり織りの注文をもらったこと                  

常岡 久乃 

 昨年12月のバザーで、こんど「さくら色のマフラーを作ってね。」と女の人から名刺をいただきました。さをり織りを始めてから2年になりますが、こんなことを言われたのは初めてです。私は「わかりました。」と答えました。ピンクの糸とオレンジの糸を入れて織りはじめました。3月のバザーにまにあうようにといっしょうけんめい織りました。気に入ってくれたらいいなと思いました。そして私が織ったマフラーが売れてよかったです。今さをり織りで作っているのは、野菜っぽくしてみました。やまぶき色の糸とふかみどりの糸とオレンジの糸を使ってたて糸を自分ではりました。はり方は、きかいに糸を一本一本とおしておなじ長さにしてむすびました。わたしは、注文をもらえた事がうれしかったです。

 

 

●所沢教室●

  渡 邉

 テクノシップ所沢で、毎週火曜日の放課後、勉強とパソコンを楽しんでいます。新学期をむかえ、子どもは養護学校の高等部2年になりました。

 この1年間教室では、生徒2名、先生2名のマンツーマンで、その日の予習、復習、作文、絵本読み、算数、その後パソコンと子どものペースで取組んでいただきました。2人はお互いあまり関わる事も無く、勉強も別々の部屋ですが、時々名前を言いあったり、パソコンを気にしたりと、微笑ましい姿もみせてくれます。お互い充分意識しているようです。 

 家庭や学校とは違う空間で、子どもの気持ちに沿った対応をしていただいています。2人とも勉強に取組む態度も落ち着き、成長を感じます。高等部になり、クラブや学校に居残って過ごし、帰りも遅い日々もありますが、火曜日の朝は「テクノ?」と聞いて自分でも意識しています。楽しく過ごせる場所のようです。

●芝分室●

芝分室のこと

芝分室指導員:長谷川 俊雄

 港区立障害保健福祉センターのパソコン室で、工房アミとワークアクティに通っている若い人たちのお世話を始めてから3年を経過しました。お世話と言っても週一度、パソコンを使った学習援助といったようなことをやっております。

 お母さん方が作った原稿をワードで入力して印刷したり、学習ゲームで遊んだり、今日の出来事といった日記を書いたり、キーボード練習などをしています。

 世話役の役割は、参加者の皆さんに楽しく来て頂く事ですが、何をやりたいのかをどうやって引出すかが悩ましい課題です。模索しながら、「これやってみない」といってその結果、嬉しい顔を見た時、お世話をしている者にとっては冥利に尽きるというものです。

 もう一人の世話役は、大学の社会学部で福祉関係の勉強をしていた女子学生でした。大変明るい元気な人で、2年間楽しくお世話することができました。然しこの4月、めでたく介護事業者の企業に就職したので、後任を学内で探して欲しいとお願いしましたが、どうしても見つからないということでした。福祉関係に関心を持つ学生には格好の実習チャンスだと思うのですが、もっと華やかで賑やかなアルバイトでも望むのでしょうか。介護・福祉の時代といわれていますが、ボランティア活動には目が向かないようです。

 この福祉センターでは、週一日パソコン室が開放されており、そこで支援ボランティアを6年程やってきましたが、利用者から、障害者にとってパソコンに親しむことは、交友関係を広げ、世間との交流を深める良い方法だと聞いております。芝分室でのパソコン利用が、参加者皆さんの目を、外に向けて大きく拡げる一助にでもなればと念じております。


 スペシャルオリンピックス500万人トーチランに参加して

 今年の2月アジアで初めて、長野でスペシャルオリンピックスの冬季世界大会が開催されました。私は、SO(スペシャルオリンピックス)の、告知活動の一つ500万人トーチランに英梨子さんと一緒に参加しました。 125日、季節はずれの台風一過の朝、全長800メートルに設定されたお台場の人口なぎさの砂浜のコースを30人ほどの参加者がトーチランののぼりを掲げ、"We are the Torch Run!!”の掛け声をかけながら、走りました。トーチは、往年のマラソン選手瀬古さん、港区長と知的障害のあるSOアスリートによって、最終ランナーの英梨子さんの元に運ばれてきました。英梨子さんは少し緊張した面持ちで、お母さんにトーチを持つ右手を支えてもらいながら、一歩一歩踏みしめるように聖火台のある壇上まで、たどり着きました。トーチを一人では、「持てない。」階段が「怖い。」と言った英梨子さんでしたが、点火した後の満面の笑みと、「お母さん、来て良かったね。」という言葉が印象的でした。

 この体験をきっかけに、新年1/6の消防出初式のトーチランに英梨子さんは、amiのお友達など、同じようにSO未体験の方をたくさん誘って参加しました。一人で、両手でトーチを掲げて、全速力で、200メートルを完走しました。「もっと、ゆっくりでいいよ。」と声をかけても、英梨子さんの気持ちは、もうすっかり前に前に向かっていました。「えりちゃん、走っちゃったね。」と驚く私に、「うん。できるんだよ。」と自信たっぷりの返事が返ってきました。とても誇らしいひと時でした。トーチランに英梨子さんと参加させてもらって、私も希望と勇気の火をもらったと思っています。この小さな感動が私の活力となって続いていくことを願っています。

芝分室指導員:三溝 真季


福利厚生部だより

 平成16年秋からの活動を報告します。

キャンプ報告

 例年は夏休み中に行っていたキャンプですが、今年は、猛暑を避けて9月25日からわたらせ渓谷に行ってきました。今年は残念ながらOBの参加はありませんでしたが、青山教室生でまとまりのあるキャンプになりました。1日目はお天気に恵まれ、わたらせ渓谷をトロッコ列車に乗り満喫、足尾銅山はちっちゃいトロッコで入抗して探検気分!!小平の里キャンプ場のコテッジに泊まり、夕食は野外バーべキューで日頃の調理実習の成果を発揮しました。夜からの激しい雨が朝もやまず、ゆっくり朝食を手作り。雨も小康状態になって富弘美術館を感慨深く鑑賞し、水沼駅の温泉センターでは露天風呂にも浸かって楽しいキャンプを締めくくり、東武特急りょうもう号でみんな元気で浅草に帰ってきました。


バザー報告

高野山別院萬燈会

10月21日台風一過のお天気で、お昼過ぎにはお日様も出てまいりました。今年は舞台が外になり、売店の場所からもインド舞踊やジャズセッションも鑑賞でき人の流れもよく教室生・先生・お母さんたち、販売をがんばりました。

ヒューマンぷらざ祭り

10月24日好天に恵まれ、いろいろな グループの方達との交流がはかられ、にぎやかに開催されました。
明治公園フリーマーケットに出店

両日とも晴天の中、いつもながら沢山の人出です。買い手とのやりとりも楽しみの一つです。献品、お手伝いありがとうございました。 (11月23日 H17・4月24日)



クリスマス会

12月12日の定例のボウリング会の後、田町ハイレーンの6階クリスマスツリーも輝いている会場で、始めにおなかいっぱい中華料理をいただいて、続いてプレゼント交換―限られた金額の中なかなか素敵な品々のオンパレード−その後個性豊かな歌声プラス振りつきの大カラオケ大会がおこなわれました。


テクノこぼれ話

 青山教室生だった和賀君が、平成16年の2月より、港区スポーツセンター内で西麻布作業所が経営する“カフェ・フルール”に就職しました。私がうかがった日は、4月の良いお天気の日で、ガラス張りの清潔な店内で、白いワイシャツにアイボリーのズボン。黒いエプロンをきりりと締めて、凛々しい姿の和賀君がいました。「手の力が弱いのよ。」と先生からお聞きしていたのですが、お盆にカフェオレとコーヒーをのせ、しっかり運んできてくれました。すっかり、立派なウェイター姿に、おいしくコーヒーをいただいてうれしい気持ちいっぱいで帰りました。

事務局だより

●次の方から励ましとご寄付を戴きました。
    本当にありがとうございました。(順不同)
    尾高ファミリーの皆様・みやび流押し絵様・キュッヒル愛好会様
    加藤道英様・その他の皆様
● 新しい教室生と指導員のご紹介。(順不同)
    木村南美さん、木下哲生先生
    よろしくお願いします。

ボランティア養成講座講義録を1,000円にておわけしています。
ご希望の方はテクノシップまでご連絡ください。

 

編集後記

 さわやかな季節となりました。ボランティア養成講座と港区の特別支援教育の取り組みの発表会…。スケジュール目一杯の下半期でした。一息ついて、やっとキッドに取り組んだスタッフです。青山教室も、石井先生を中心にとっても充実した活動が行われていて、そんな様子が少しでも伝わればと願っております…いかがでしょうか!?
 今を盛りの若葉のようにピカピカしたテクノシップを感じてください。


特定非営利活動法人 テクノシップ

東京都港区教育委員会社会教育関係団体登録
東京都港区社会福祉協議会ボランティアセンター団体登録
埼玉県所沢市社会福祉協議会登録団体

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